京都御所

京都市上京区京都御苑付近

皇居と同じ感じで、地元の人の散歩コースになっています。



いや、皇居を超えてた。中に草野球場まであった。

尼御所へ初手習の子が二人 松永みね子


御所跡に舟着場あり草紅葉 原田しずえ


御所に住み蓑虫蓑を脱ぎもせず 藤井艸眉子


御所の木々粧ひそめし時代祭 畑 紫星


星合の冷泉家出て御所の月 大島民郎


秋思あり村雲御所の灯を仰ぎ 岩崎照子


伽羅御所をうかがうてをる案山子かな 加藤三七子


絵襖の秋日に匂ふ御所開き 中西しげ子


嵯峨御所の橘薫る泊りかな 阿波野青畝


芽牡丹やみつのごとくに御所の雨 飯田蛇笏


腰高の障子に春の御所火鉢 後藤夜半


もとほるや遅き日暮るる黒木御所 志城 柏


飾りある葵祭の御所車 吉田 ひで


御所の凧あがれあがれと仰ぎけり 鈴村 寿満


御所に降り嵯峨野にやみし春霰 川崎展宏


汗かかぬやうに歩きて御所の中 波多野爽波 『骰子』


御所偲びまつるいづこも虫時雨(終戦) 殿村菟絲子 『繪硝子』


鯛焼のあんこの足らぬ御所の前 大木あまり 雲の塔


嵯峨御所の橘かをる泊りかな 阿波野青畝


御降りの流れいでけり御所の溝 正岡子規


嵯峨御所の橘薫る泊りかな 阿波野青畝


まず御所の屋根を畳みて雛納め 田口風子


黒木御所真下に荒ぶ飛魚の海 観山繁子


小式部も成れの果てなる御所を出て 佐々木六戈 百韻反故 わたくし雨


蜩や遠流の御所の汐ぐもり 橋本榮治 逆旅


嵯峨御所の橘かをる泊りかな 阿波野青畝


瑠璃色にして冴返る御所の空 阿波野青畝


御所柿に頼まれ顔の案山子哉 蕪村 (武者絵賛)


御所柿のさもあか〜と木の空に 鬼貫 (猿猴の絵に)


嵯峨御所の勅使門とて月あかり 野風呂


青簾いづれの御所の賀茂詣 其角


黒木御所雪踏み訪ひし跡もなし 桑田青虎


御所にして夏座敷また夏座敷 岸本尚毅 舜


戀猫の御所をゆくとき抱かれゐて 田中裕明 先生から手紙


濡れてゐる御所のあたりや年の暮 田中裕明 櫻姫譚


葱(ひともぢ)をもとめまゐらせ御所へかな 筑紫磐井 婆伽梵


御所ざくら大御油(おほみあぶら)をともしませ 筑紫磐井 野干


御所車予備を設ふ屋台倉 素抱 十月-十二月


御所車金具さやかに大八台 素抱 十月-十二月


諸鳥のこゑも染るやもみぢ御所 宿好 十月-十二月


色鳥の出入りゆかし御室御所 宿好 十月-十二月


粟田御所大玄関に万年青活け 燕音 一月


御所に来る尾長を愛でて初座敷 燕音 一月


踏みしめて淑気みなぎる御所畳 燕音 一月


粟田御所回春楠の常緑 燕音 一月


枝伝ひ寒禽弾む御所の楠 燕音 一月


掌を打てるところへ寒ンの御所の鯉 燕音 一月


御所拝観の時鉄線の咲けりしか 正岡子規


御所車出してありけり若楓 野村泊月


遅桜雲井の御所の址なりと 高浜年尾


春の夜や鼠の御所の猫の怪 菅原師竹


朧夜やおり居の御所の月の松 晋才


山國や花種を掌に御所言葉 田中英子


御所車火焔の猛るお雛焼き 関森勝夫


黒木御所萩初花に去りがたし 伊藤京子


冬凪の伊豆見通しにつばき御所 荒井正隆


京の地図折目に御所や花曇 猿橋統流子


伽羅の御所ありしあたりに羽子をつく 佐野美智


煤掃や左京区松ケ崎御所の内 龍岡晋


賀茂衆の御所に粉るる祭かな 召波


錦木や火を噴きやすき御所車 八木三日女


御所偲びまつるいづこも虫時雨 殿村菟絲子


掃苔や景行帝の御所ちかく 竹下しづの女


身重しと水に入りけり御所の蛇 柿本多映


てつちりやメニユーにゑがく御所車 大島民郎


腰高の障子に春の御所火鉢 後藤夜半


海鼠(こ)だたみの饗応(まうけ)しのばし聚楽御所 黒柳召波 春泥句集


古御所の寺になりけり散る柳 黒柳召波 春泥句集


御所方も夜寒につづく砧かな ふぢ 俳諧撰集玉藻集


菜の蝶は菜に居る御所の桜かな 椎本才麿


松高く二條の御所の霞みけり 松瀬青々


鯛焼のあんこの足らぬ御所の前 大木あまり


春の夜に尊き御所を守身かな 蕪村 春之部 ■ 几董とわきのはまにあそびし時


御所柿にたのまれ皃のかゞし哉 蕪村 秋之部 ■ 武者繪賛


葛水や入江の御所にまうずれは 蕪村遺稿 夏


福わらや御所の裾にも袂にも 千代尼


御所柿のさも赤々と木の空に 上島鬼貫